一般的に人気なのは守護神伝の第二章ですが、本作「第一章」もそれに劣らぬ名盤だと個人的には思う。
現在、ハロウィンフォロワーと呼ばれるバンドが無数にあるが、彼らが影響を受けたのは間違いなく守護神伝であろう。それほど衝撃的なアルバムなのだ。
クラシックとヘヴィメタルが融合したサウンドで、前作「Walls of Jericho」ほどでないにしても、スピード感のあるメロディック・スピード・メタルを披露している。
大事なことを書き忘れる所であったが、カイに代わりマイケル・キスクがヴォーカルとして加入している。カイがギターに専念することにより、ハロウィンの最強の布陣が整った。
このことにより、前作「Walls of Jericho」で懸念材料であった、ヴォーカル部分の弱点が劇的に改善された。マイケル・キスクは伸びやかでクリアなハイトーンの持ち主であるからだ。
歌メロとクラシカルなソロがインパクトを放つスピードメタル#02で幕をあけ、#04では伸びやかなハイトーンを安心して聴くことができ、キャッチーな#06は彼らの代表曲でもある。
寂しげな雰囲気のイントロから始まるメタルバラード#05では、ハイトーンのみならず中音域の表現力もずば抜けているのが分かる。
13分に及ぶ#07においては、長さを感じさせない構成力は見事で、マーカス・グロスコフのソロでのテクニカルなベースプレイが個人的にツボにはまった。
一枚の作品としてみると、曲数が少なく収録時間も短いのが気になるが、それを忘れさせてくれるだけの内容であるはずだ。
守護神伝 第二章とともにジャーマンメタルの名盤といえる。 |