フィンランド出身のヘヴィメタル・バンドCITADELのデビューアルバムです。
サウンドの方は、今流行のSONATA ARCTICAフォロワーといってよいでしょう。北欧的でメロの扇情度は高めとなってます。ただ、ソナタにはみられない男臭さい所がコーラスなんかに出てるのが、本家と違うところでしょうか。Voのペッテリ・ウルマスがSTRATOVARIUSの他にも、MANOWARをフェイバリット・バンドとしてるのが表れてるのかもしれませんね。
バッキング陣の演奏は安定感もあり、安心して聴けるのですが、いかんせんVoが・・・かなりショボイです(汗)。中音域からハイトーンまで危なっかしさの連続です。というか、とても音痴です。
同じソナタフォロワーのCELESTYがVoに難があると言われてますが、そんなものじゃないです・・・キツイ言い方ですが、今後成長したとしてもたかが知れてるので、思い切ってVoをチェンジした方がバンドの為だと思います。Voの他にBも兼任してるので、次作ではBに専念する形となるのが好ましいでしょう。
ここまでだといい所無しのたいした事ないバンドに思われると思いますが、さっきも言ったとおりバッキング陣は安定してるし、何より楽曲自体がなかなか素晴らしいものを持ってます。これでVoが良ければ、かなり注目されていたに違いない。
つい口ずさみたくなるような軽快なサビメロが印象的な#01、ソナタの疾走チューンをお手本にしたような感じで、哀愁のメロも端々に顔を見せる#03、FREEDOM
CALLを思わせるファンファーレが所々に響き渡る#05、ライブでの人気が高いと言う、メロがキャッチーな#07、ドラマチックなイントロが悶絶を誘う#10、といった疾走チューンの出来はどれも素晴らしく、この手が好きなら満足できる内容だと思います。
勇壮なコーラスが心地よいミドルチューン#02なんかもなかなか良いですな。#06はバラードで、メンバーの妹がバックコーラスを勤めてます。正直イマイチですが。
音質の方は日本盤なだけあって良いです。点数はVoがかなり足を引っ張ってる事から一般的に勧められないので低いですが、ヘボイVoでも平気な人には激しくオススメです。それにしても、フィンランドから次々と新たなバンドが出てきますな。 |