ドイツのネオクラシカル･メタルバンドAT VANCEの3rdアルバムです。
本作は、ドイツに古くから伝わる「ニーベルンゲン伝説」を元に作られ、そこで語られてる物語を1枚のアルバムにまとめたものとなってます（ライナー参照）。
適度な疾走感で進む#01で幕を開けるわけですが、オープニングナンバーとしては、正直、ちょっと物足りなさを感じました。ソロのスリリングな速弾きは、テクニカルで聴く者を魅了するに値するだろう。
続いて、#02は高速のツーバスが響き、かなりハイテンポながらも、「アットヴァンス」らしいメロディアスなギターフレーズが輝いている。「アットヴァンス節」とでも言っておこう。どちらかというと、#02をオープニングに持って来た方がしっくりきそうだが、「ニーベルンゲン伝説」を忠実に再現すると、そういう訳にはいかなかったのかもしれない。
タイトルをみればわかると思いますが、#04はベートーヴェンの運命をカヴァーしたものです。悪くないけど、ちょっと長すぎる気が。それに4曲目に配置したことにも疑問が。
そして、今回もきました。「ABBA」のカヴァー(#06)。前作のカヴァー「SOS」も良かったのですが、今回も優秀すぎです。しかも、何食わぬ顔してアルバムに自然と溶け込んでるのがポイント。全く違和感なく。「ABBA」へのリスペクトなのだろうか。この完成度は。「ABBA」のトリビュートアルバム出さないかな(笑)。
最後の闘いが表現されている#09は、重低音を効かせザクザクしたリフで突き進むヘヴィでスピーディなナンバーだ。後半のポイントとなる曲で勇壮でアグレッシブである。
さて、評価としては、個人的には前作のがお気に入りですが、ネオクラシカルの大御所?だけあって、高品質です。
一枚のアルバムとして考えると、「Heart of Steel」の方が佳曲が多かったように思います。
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