ドイツのネオクラシカル・メタルバンド、AT VANCEの2ndアルバム。
ネオクラといっても全体を通してみると、テクニックをひけらかし弾きまくってるわけではない。効果的にネオクラシカルフレーズが要所に散りばめられている。
このバンドの特徴は、同系統として知られる「TIME REWUIEM」のようにキーボードをふんだんに取り入れた感じではなく、ギターによる着色だ。
オリバー・ハートマンの歌唱は低音から高音まで安定しており、本作「HEART OF STEEL」を聴いてもらえば実力派シンガーであることが分かるであろう。
アルバム単位でかなりキャッチーに仕上がっており、メロディーがしっかり作られているのがわかる。
クラシカルなメロディの洪水が次々と押し寄せるスピードナンバー#02、アグレッシブで攻撃的なギターリフ、爽やかなサビメロが印象に残る#06、などが核となっている感じだが、キャッチーなタイトルトラック#04、オリバーの甘い声をじっくり堪能できるバラード#07、その他も良質である。
#05はご存知の通りABBAのカバーです。カヴァーですが、かなりの完成度で、正直、本家より好きかも。違和感なくアルバムの中に溶け込んでます。
何故か過小評価されがちな運命にある「At vance」であるが、耳の肥えたネオクラシカルヘヴィメタル・リスナーを満足させるに充分なアルバムであることは間違いないであろう。 |